児玉醸造のお醤油の秘密

– 児玉醸造のお醤油について –

鹿児島県肝属郡東串良町。Kimotsuki_River_Kimotsuki_Hami_01

人口7,000人程のピーマンやキュウリ、畜産、水産業が盛んなこの町は、町域全体が肝属平野に位置し、美しい景観が魅力です。

児玉醸造は、志布志湾にほど近い柏原地区の肝付川の畔にあります。

創業の明治より受け継がれる鹿児島のしょうゆの特徴である甘みと旨味を大切に、

厳選された素材で少量づつ手作業で仕込み、徹底的に温度管理された鮮度の高い香り豊かなお醤油が売りです。

生揚げしょうゆなどは、年間を通して、7℃の冷蔵室で管理され、酸化を防ぎ、常に香り、質共にフレッシュな状態を保っています。

これまで鹿児島県の町内を中心に流通してきました。
商品は出荷数も少なく鹿児島の中でも値段は少し高めですが、素材へのこだわり、良いものを作る為にかける手間は惜しみません。

”児玉のしょうゆじゃないと味付けできない”そういってくださる県内外の方々がいる限り、一本一本最後の瓶やペットボトルに詰めラベルを貼るまで一つ一つ手作業で大切に作り続けていきます。

 

初めての方にはしょうゆのサンプルをお送りしていますので、ぜひ一度香りと味をお試し下さい。

IMG_5516IMG_5161IMG_2477

スクリーンショット 2014-11-18 17.10.24

**しょうゆについての基礎知識**

醤油の製法

醤油の製法には大きく二つに分けると「本醸造」と「混合醸造(新式醸造)」とがあります。

「本醸造」は伝統的な製法です。「混合醸造(新式醸造)」は戦後新しく開発された製法です。

本醸造

醤油の伝統的な醸造方法です。蒸した大豆(丸大豆又は脱脂加工大豆)と炒った小麦をほぼ同量に混合し、種麹を加えて「麹」を作ります。

これを食塩水と一緒に木桶(杉)/樹脂容器に仕込んで「諸味」を作り、攪拌(かくはん)を重ねながら約6~12ヶ月寝かせます。

麹菌や酵母、乳酸菌などが働いて分解・発酵が進み、さらに熟成されて醤油特有の色・味・香りが生まれます。熟生が長いほど色や味は濃くなります。

本醸造の製法

混合方式(新式醸造)

戦後新しく開発され導入された製法です。低コストで短期間で醤油を製品化でき大量生産に向いているのが特長です。

混合方式(新式醸造)

※「本醸造醤油」又は「混合醸造醤油」に大豆(又は脱脂加工大豆)のタンパク質を塩酸分解して作ったアミノ酸液(又は酵素分解調味液、又は発酵分解調味液)を加えてつくります。

※アミノ酸特有なうま味をいかした醤油で、国内の地域によってはこの特長がこのまれます。

 

醤油の種類

 

濃口しょうゆ
全国のしょうゆ消費量の約84%を占める最も一般的なしょうゆです。
塩味の他に、深い旨味、まろやかな甘み、さわやかな酸味、味を引き締める苦みを併せ持つ調理にも卓上としても幅広く使える万能調味料です。

こいくち

江戸時代の関東地方で町人の江戸料理の調味料として発達し、全国的に広まりました。

醤油特有の香りが高く、うすくちとたまりの中間的な色を持ちます。
特に東日本では様々な料理の味付けに使われ、色付けや香り付けにも使われます。

原料の大豆と小麦の比率は半々程度です。北海道から沖縄まで各地で生産されるが、関東地方での生産が特に多い醤油です。

特に有名な産地として、江戸時代に最も発展した水運(利根川)が利用出来た千葉県の野田市や銚子市、最適な気候・風土の香川県小豆島、そして寒い冬 に醤油がかかせない地方である山形県や岩手県等の東北地方、長野や岐阜の山岳地方、北陸地方があります。醤油の起源があると言われている和歌山県も名産地 です。

 

淡口しょうゆ
「淡口」と書いて「うすくち」と読みます。
関西で生まれた色の淡いお醤油で、しょうゆ全生産量の約13%を占めています。もろみの発酵と熟成を緩やかにさせる食塩を、こいくちしょうゆよりも1割多 く使用して仕込みます。素材の持ち味を生かす為に色や香りを控えめにしたお醤油です。

うすくち

素材の色を美しく仕上げる炊き合わせ、含め煮などの調理に使われま す。また、味をまろやかにするため甘酒を使います。

 

「再仕込み(さいじこみ)』

「再仕込み(さいじこみ)』山口県を中心に山陰から九州地方にかけての特産しょうゆ。

他のしょうゆは麹を食塩水で仕込むのに対ししょうゆで仕込むため、「さいしこみ」と呼ばれています。

さいじこみ

色、味、香りともに濃厚で、別名「甘露しょうゆ」とも言われ、刺身、寿司、冷奴など、おもに卓上でのつけ・かけ用に使われています。

 

丸大豆と脱脂加工大豆

醤油の原料となる大豆は二種類あります。

丸大豆と脱脂加工大豆

「丸大豆」「脱脂加工大豆」です。

「丸大豆」は乾燥させただけの大豆を丸ごと使用するという意味です。
一方「脱脂加工大豆」とは、大豆からヘキサンを使用して油分を抜いたものです。

(写真→ 丸大豆(左側)脱脂加工大豆(右側))

歴史

「丸大豆」は古来から使われてきた製法ですが、「脱脂加工大豆」製法は第二次世界大戦前後に開発され使用されてきた新しい製法です。

産地とコスト

「丸大豆」に使われる大豆の産地は日本産のものが多いようですが、「脱脂加工大豆」となる大豆の産地は殆ど北米産のようです。
北米産の大豆は遺伝子組換えが多いのですが日本のメーカーが使用する大豆は商品のラベルに記載されている通り遺伝子組換えでないものを特別に栽培して使用 しているとの事です。(日本では遺伝子組換え作物の生産は安全ではないという理由から実験以外は法律で禁止されています。)
北米産の大豆は国産に比べて値段が安く大量にできるので、つまり「脱脂加工大豆」を使用することにより価格の低い醤油を消費者に提供できると言う事になります。その理由から一般的に価格の安い醤油は「脱脂加工大豆」が原料とされている場合が殆どです。

丸大豆の良さ

丸大豆は油を含んでいますので醤油の製造において油抜きという工程を行わなくてはならず、手間がかかります。

しかし日本古来の伝統手法を用いて製造している製造者の間では丸大豆でなくてはだめだという声が多くあります。丸大豆を使用することにより、独特な 美味しい香りやコクが醤油にやどるからというのがその理由です。市場においても高級醤油の位置付けとして、丸大豆醤油が置かれております。

丸大豆

 

Panel 1

社長挨拶

変わらぬ家庭の味を次の世代へ伝えるということ

変わらぬ家庭の味を次の世代へ伝えるということ(風習)は、
image界中どの国でも地域でも大切にされてきました。
私たちの暮らすこの日本でも、ひと昔前までは当たり前に行われてきた事の様に思います。

大人になっても忘れない「我が家の味」の味付けの核として、又は素材を引き立てる為の隠し味として、毎日のように料理に使われる醤油の役割は大きく、家族が共有する”食事”という時間と共に、知らぬ間に、私たちの心と身体に深く染み込み、積み重なって、それが思い出の味となっていくのでしょう。

その香りが時が経ってもいつでも私たちに
「安心感」やimage「懐かしさ」という目に見えない大切なものに変わっていくのだと思います。

現在の進む核家族化、増えていく夫婦の共働き、料理の簡便化等様々な要因で大切な「我が家の味」は急速に薄れ、失われて行く危機にあると感じます。私達はその良き大切な文化を肌で感じ、育ってきた最後の世代と言っても過言ではないでしょう。子供たちに何を残していくべきか。
料理には五感全てで感じる言葉を越えた何かがある様な気がします。

 

児玉醸造は「児玉の醤油じゃなきゃ味付けできなimageい。」
そう言って下さる方がいる限り、醤油を造り続けなさい。という先代、正吉の言葉を大切に守り続け、明治より変わらぬ味と思いで今は私が四代目として仲間と共に醤油を造る鹿児島の大隅半島にある小さな醤油蔵です。
この変わらぬ味が地域、家族をつなぎ、その先に拡がっていく次の世代へ繋がっていきますよう。

そんな思いを込めて、今日も仲の良い仲間と共に、和気あいあいと醤油造りに励んで参ります。

 

児玉醸造 四代目 児玉拓隆